『アンダーカレント』(豊田徹也)がイイよ!

投稿者: | 2005年12月16日

劇的な展開などほとんど無く、どちらかというと淡々としているのに、すぐに引き込まれてしまった。
キャラクタ造形の巧みさとと練られたネームのシンプルさに唸った。
描写も派手ではないのに、ページを手繰る手が止まらなかった。
穏やかな時間が静かに流れている。
登場人物をめぐる過去や状況、それぞれの関係が徐々に明かされていくのだが、決して謎解きが主題の話では無い(と少なくても俺は感じた)。
登場人物に感情移入するというよりも、物語にのめり込むような不思議な感覚だった。
こういう描き方ができて、しかも面白くできるのが、マンガの懐の深さというか、可能性の高さだと改めて感じた。
この人のことはよく知らなかったのだが、新人だろうか。次作に注目だ!