『ダークマスター』(原作:狩撫麻礼 画:泉晴紀)

投稿者: | 2006年12月1日

古本屋で見つけた。500円だった。ビニールで包まれており中身が確認できなかったが、閃くものがあり即購入。
表紙には「原作:ダークマスター」とかかれており、誰だダークマスターって、と思っていたら、一話の扉に「原作:狩撫麻礼」の文字が。思いがけないことでびっくり。
読んでみるとなるほど狩撫節だ。
狩撫さんの作品はどれも好きで、特に「ボーダー」が忘れられない。というよりは生涯ベスト1の作品なのだ。数年前の復刻は嬉しかった。
独特の価値観をもとにストーリーを展開する。特に体制批判、マスコミ批判が作品のテーマの底に流れていて、出版社への気兼ねなど考えていないようだった。
カンヌ映画祭でグランプリを受賞した作品の原作でもある「オールド・ボーイ」の原作を変名(土屋ガロン)で書いて以降、作品の発表はあるのだろうか。
自分自身の鬱屈とした思いを作品にぶつけて、しかもそれが作品自体のカタルシスにつながるという、絶妙な(でもある意味危うい)バランス感覚で作品を書ける数少ない原作者だと思っているので、ぜひ今後も作品を追いかけて行きたい。
希望としては、「浅野にいお」さんや「古谷実」さんと組んで書いてもらいたいなぁ。