今日、行きつけの書店で「グイン・サーガ」の最終巻「見知らぬ明日」を手に取りました。
今年5月に作者の栗本薫さんが逝去され、未完に終わった長編ヒロイックファンタジーの、その最終巻。
亡くなったと知った時ももちろん悲しかったのですが、今日、改めて最終巻を手に取ったとき、自分自身でも意外なほどの喪失感を感じました。
ただただ悲しくなり、涙が溢れました。
栗本さんの死ととともに、あの世界は静止してしまったのです。グインもリンダもイシュトヴァーンも。
私にとって、あの世界は、現実感をともなった確固たる世界です。他の小説と同じようには読んでいませんでした。
あの世界が、どこかに確かに存在し、それを、栗本さんを通して見せてもらっているような感覚でした。
混乱しています。
栗本さんが亡くなった時よりも、最終巻を手に取った今日の方が、心が乱れるなんて不思議です。